よしもとオフオフブロードウェイ『SYK』

 

【本日の5W1H

(だれが)

三蔵法子率いる4人組が

(いつ)

(どこで)

四国で

(なにを)

八十八ヶ所のお遍路を

(なぜ)

それぞれの罪を償う(罰を受ける)ために

(どのように)

神々に邪魔をされながら冒険するお話

 

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オフオフの感想を書くのは久しぶりです。

キャスト数が多くて話が一筋縄でいかず、色んなところに感情移入してしまうので、感想をまとめるのが難しいんです。

 

今回は西遊記と四国のお遍路を合体させたお話らしく、三蔵法師一行を思わせる4人組と、世界中の神々が出てくる展開でした。

 

三蔵法子(みくらのりこ)は東京の寺の娘。

後継の婿を望む父親の言葉には耳を貸さず、ネイリストになる夢と結婚で得る幸せを追い求めている。

けれど現実はバイトの日々。

ある時そんな法子の部屋に世界中の神々が押し寄せ、四国の八十八ヶ所を回れと詰め寄ってくる。

神々の圧に負けた法子は、リックシャックを背負い四国へ向かって歩き出す…

 

というのが冒頭。

出だしからキャラクターほぼ総出演で、団結力のいるボケで物語をどんどん進めていく。

あれよあれよと笑っているうちに法子が旅に出る出る段取りになっていて、法子同様「どうしてこうなった」感に苛まれさらに笑ってしまいました。

 

オフオフで好きなのは、冒頭からオープニングダンスへのスピード感。

「今回はどんな話だろう」「なるほどこんな感じか」と気づいた瞬間に爆音でかかる曲と、パワフルなキャストの動きに、一気に引き込まれます。

これもオフオフの特徴だと思うので、色んな人に知ってほしいなと思います。

 

法子はどちらかというと受け身の人間で、展開としても巻き込まれる描写が多かったけれど、それを受け止める器を持った強い子だなと思いました。

主演を務めた道さんにもきっとその強さがあるのでしょう。

ツッコミ系の主人公は周囲のキャラクターに埋もれてしまうことも少なくないですが、道さんは誰よりも輝いていました。

そんな彼女が背負う罪は「嫉妬」

 

「傲慢」と「強欲」を背負うのは、北代さん演じる青天。

北代さん、いつもの力技でねじ伏せてしまいそうな役でしたが、どこかいい意味で力の抜けた演技でとてもよかったです。

具体的に何が変わったと表現は出来ないのですが、確実に変化があって、北代さんではなく青天としてそこにいるのを実感しました。

 

村井んーとささんは「暴食」と「憤怒」の沙悟浄こと迫と、キリストの二役。

冒頭とクライマックスのキリスト役が似合いすぎていて、まずその事実に笑える。

そして迫のジジイ感がまたマッチしすぎていて、その幅の広さ、けれどどちらも絶対にんーとささんにしか出来ないその佇まいに、脱帽でした。

 

猪八役の宮本さんはいわゆる男前。

けれどあのお松さんが男前にただの男前の役を振るはずもなく。女が好きすぎる変態イケメンでしたね。

ちなみに罪は「色欲」と「怠惰」

綺麗な顔から次々と繰り出される、ポジティブすぎる変態発言に、客席も「次はなんて言うんや」「もっとくれ」と欲する空気になっていた気がします。

 

川﨑さん演じる「全ての神」に放たれた、キリストの「それは何もないのと同じだ」という言葉。

この言葉がとても重く、同時に「私は何も持っていない」と周りに嫉妬していた法子との対比に気がつきました。

迫も中盤に言っていましたが「つまり俺たちは何かを持っているということだ」というセリフも効いてきます。

…あれ?これどっちもんーとささんのセリフだから、もしかして伏線だった??

 

見終わった後は、人間に絶望した神々に人間がどう答えるか、という話なのかなあと思っていましたが、今こうして考えてみると、それは少し違うことに気づきました。

神がそれぞれ能力を持っているように、人間も一人一人持っている力があって、それは武器であり欠点である。

カヤツヒメに自分の欠点を答えてみなさいと言われた4人のうち、法子以外の3人がポジティブな返しをしてしまったのも、ボケではなかったのだと、今になって分かります。

 

自分にとっての短所、それは長所の裏返しであり、使い方によっては武器にもなりえるのだと、当たり前のようで普段気づけないことを改めて考えることが出来ました。